2001.3.20 作成
ロシアの宇宙ステーション「ミール」は、ロシア語で「平和」を意味します。
全長約30m、重量130トンという巨大な建造物で、6つのモジュールでできています。
ドッキングポートも6つあり、貨物船プログレスや有人宇宙船ソユーズのほか、アメリカのスペースシャトルもドッキングできます。
ミールは、地上400kmの高さをほぼ円軌道でまわっています。
1周は約1時間半で、秒速は約8kmです。
軌道は、赤道に対して51.6度傾いているため、地図の上では北緯51.6度から南緯51.6度の間をS字状にたどっています。
図のオレンジの線で囲まれた部分は、ロシアのアンテナでとらえられる交信可能範囲です。
モスクワ郊外にある、飛行管制センター内のミールの管制室のようすです。
正面にパネルがあり、ミールの位置が示されています。
部屋はかなり広く、多くの人がコンピュータの画面を見たりしています。
ミールが交信可能範囲にはいると、係官が電話で話をします。
パネルの拡大図です。
ちょうどヨーロッパにある光点がミールの位置です。
ミールは、20分ほどで交信可能範囲(黒いライン内)を通過し、右下の方へ進みます。
1周すると地球の自転のために少し左(西)の方にずれてまわります。
1990年には、TBSのジャーナリスト秋山豊寛さんが「日本人初の宇宙飛行士」として滞在しました。
壁には今までに活躍した宇宙飛行士たちの写真とサインがあり、秋山さんも見つかりました。
壁の一番左上には、「BOCTOK」(ボストーク)の文字と、「ガガーリン」の文字が見つかりました。
1961年4月12日、ユーリ・ガガーリンは世界初の宇宙飛行士となりました。「地球は青かった」の言葉は有名です。
彼は、直径わずか2.3mの球形のカプセル内で、108分の宇宙飛行を体験したのです。
ロシアは、本当にみごとに計画通りに落下させました。
日本の上空を通過していったわけですが、何事も起きませんでした。
が、...
鹿児島で爆発が起きて「ミールが落ちた」とさわいだそうですが、酸素ボンベが原因でした。
どこかの役所の屋上ではブルーシートをひろげて破片を拾おうとしたらしいですが、当然なにもひろえませんでした。
オーストラリアの牧場では、破片が落ちる目標になるようにと(?)、大きな×印をつけていました。
そんな多くの人たちの思わくをよそに、ミールは淡々と計画通りに落下し、15年の一生を終えたわけです。
このページの画像はすべて、1999年8月にロシアのモスクワ郊外にある飛行管制センターで撮影したものです