オリオン座 Orion(略号:Ori)


午後8時の南中:2月5日 1等星:2個=ベテルギウス,リゲル


1999.2.7 作成 2.21更新

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見え方

星図

2月ごろの夜8時ごろ、南の空高くを見上げると、1等星2個と2等星5個で鼓型をつくるような派手な星座が見えます。

これが有名なオリオン座です。秋の夕方には東の空に低く見え、春の夕方には西の空に低く見えます。

都会では明るい7つの星しか見えませんが、空の暗いところへ行くと、棍棒をふりあげている右手や、左手の楯の部分の暗い星の連なりも見えてきます。

また、「オリオン大星雲」も肉眼でボーッと見えます。


写真

写真

写真では、ベテルギウスの赤い色とリゲルの青白い色の対比がよくわかります。

ベテルギウスは太陽の1000倍くらいの大きさをもつ赤色巨星です。

真ん中の3つの星は「3つ星」と呼ばれます。その下の縦に3つ並んだ星は「小3つ星」といいます。

小3つ星の中央部に有名な「オリオン大星雲(M42)」があります。写真では水素ガスの光である赤に写りますが、肉眼や双眼鏡では青白く光っているように感じます。

データ:50mmF1.4→2.8 露出15分
     コダック E200
     千葉県野栄町にて


神話

オリオンの死にまつわる一説

ヘベリウス星図

 出会った瞬間、オリオンは、狩の女神アルテミスと恋に落ちた。オリオンも大変腕のよい狩人なので、ふたりは互いの技を競い合うようにクレタ島の野山を駆けめぐった。

 おもしろくないのはアルテミスの双子の兄アポロン。「男なんて嫌いよ。大好きなのはお兄さんだけ」と言っていたかわいい妹をとりもどしたい。毎日そのことばかり考えていたアポロンは、毒針を持つ大サソリをオリオンのもとに送った。

 サソリを見たオリオンは手にした青銅の棍棒で勇敢に殴りかかったが、サソリの甲羅はびくともしない。逆にサソリのハサミは、オリオンの逞しい肉体を傷つけていった。しかたなくオリオンは、サソリの苦手な海に逃げ込んだ。海の神ポセイドンの血を引いている彼は海の上も歩けるのだ。

 それを見ていたアポロンは、今度はこっそりオリオンの頭が光り輝くように薬を塗り、何食わぬ顔で妹アルテミスを海岸へ連れだし挑発するようにこう言った、「おまえは、オリオンと弓の腕を競っているようだが、どうだ、あの遠くにある動く光なんかは射抜けるか」。何もしらないアルテミスは「ごらんになっていてください」と、弓を引き絞り、その光を射抜いてしまった。

 やがて、波が頭を射抜かれたオリオンの死体を浜辺に打ち上げた。それを見たアルテミスはすべてを知ったが、どうすることもできなかった。アルテミスにできることは、ゼウスに頼み、オリオンを天の星座にしてもらうことだけであった。彼女が馬車で夜空を走るときにいつも会えるように。

 だから、オリオンの足元のうさぎ座はオリオンの獲物。また、彼の連れていた犬セイリオスもおおいぬ座の一等星シリウスとして、今もオリオンのそばにいる。


見どころ

見どころ

オリオン座には、「オリオン大星雲」のM42、そのすぐ上のM43、ウルトラマンで有名なM78の3つのM天体があります。

M42・43

M42

M42は、鳥が羽をひろげたような姿をしています。1500光年の距離にある散光星雲です。

水素ガスが近くの恒星にエネルギーをもらって輝いています。望遠鏡で見ると中心部に4重星「トラペジウム」が認められます。

M43は鳥の頭にあたる部分で、M42のすぐ上になります。

M78

M78

M78は、3つ星の左上にありますが、かなり暗く、望遠鏡でも確認しづらいガス星雲です。

距離は1600光年です。

「ウルトラの星」として有名ですが、円谷さんは別にこれを見たり知っていたりしたわけでなく「単に語呂がいいから」という理由でウルトラの星にしたそうです。


星図はアストロアーツ製「ステラナビゲータ」で作成しました。古星図は「ボーデの星図」を使用しています。

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