午後8時の南中:6月7日 1等星:1個=スピカ
2001.6.2 作成
おとめ座は春の星座です。この時期の夜、南の空に大きく横たわっています。
スピカとアルクトゥールスとしし座のデネボラを結ぶと春の大三角形です。
おとめ座はスピカのほかは暗い星ばかりでよくわかりません。
昔の人々はこれをどのようにして乙女の姿に見たのでしょう。
スピカから右上に7個の星がYの字をつくっているのが特徴的です。 データ:35mmF2→2.8 露出5分
フジ プロビア400F 2倍増感
千葉県白浜町にて
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乙女座のα星スピカは、豊饒の女神デメテルであるとされている。その清純で澄んだ青白色が、まさに女神にふさわしい。また、まわりに目立つ星がないため、無防備な乙女をも連想させたのかも知れない。
豊饒の女神デメテルとゼウスとの間には、美しい娘ペルセポネがいた。
冥界の王ハデスは、兄であるゼウスに相談した。
「俺もそろそろ妻が欲しい。兄貴と女神デメテルの子、ペルセポネを后にしたいのだが、どうだろうか」
「ペルセポネも冥界の王の妻であるなら、申し分あるまい。しかし、母親のデメテルは、ハデス、お前を嫌っているからな」
「だから、頼みに来たのだ。何とかしてくれ。ゼウス」
シシリア島のエンナの谷は、そよ風の精ツェフィロスだけが訪れることができる、険しい岩壁に囲まれた楽園だった。泉や湖が点在する草原には白百合、すみれ、ヒアシンス、あやめなどたくさんの花々が一年中咲き乱れていた。
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ペルセポネは、今日もニンフたちと花を摘んでいた。花籠をいっぱいにしてしまってもまだやめず、スカートのすそをまくりあげ、そこにすみれや白百合を摘んでいた。
「みんなは、どこに行ってしまったのかしら。きっと今日は私が一番花を摘んだわ。キュアネたちにはやく見せなくっちゃ。おや、変わった水仙があるわ。」
ペルセポネが深い黄金色の水仙に手を伸ばすと、右側の大地が大きく割れて暗いトンネルができた。その奥から黒い三頭の馬に牽かせた輝く二輪車が現れた。二輪車の上の王冠をかぶった男は、いきなりペルセポネを抱きかかえ、そのまま車に乗せて走り去ってしまった。ペルセポネは驚いたけれどもわけがわからず、ただ、野原にこぼれ落ちていく花々を見おろし、悲しみながら、きれいだなあ、と感じていた。
ペルセポネの母、豊饒の女神デメテルは大地の一切の世話を放棄し、突然消えたペルセポネを探しまわった。デメテルが世話をしなければ大地は何も生まない。日照りや大雨の日が続き、畑にはアザミ、イバラ、イヌムギなどの雑草しか生えない。まかれた種は鳥がついばみ、牛や羊も子を産まないし、育たない。飢饉が起こり、神々への御供物も不足していく。
大地がすっかり荒れ果てたとき、ゼウスは事の重大さに気付き、使者ヘルメスをハデスに送り、ペルセポネをデメテルに返すように説得した。
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ハデスは、素直に説得に応じた。帰りの馬車に乗り込むペルセポネにハデスは柘榴をひとつ与えた。ペルセポネは地上までの馬車の中でその柘榴を4つぶ食べた。
柘榴は結婚の印、そして冥界の柘榴を食べてしまった者は、冥界で暮らさなくてはならない。
デメテルはゼウスに懇願したが、この掟には従わなくてはならなかった。
しかし、ゼウスの計らいで、ペルセポネは、完全に冥界で暮らすのではなく、1年の3分の1を冥界でハデスの妻として過ごし、残りの8ヶ月の間はデメテルと地上で暮らせるようになった。
4粒食べてしまったから4ヶ月は冥界で、というわけだ。
愛娘ペルセポネが地上にいない、その一年のうちの4ヶ月は、豊饒の女神デメテルも大地の世話をやめて、エンナの洞穴に閉じこもり、悲しみに暮れる。こうして、常春の大地に冬という季節が訪れるようになったのである。
おとめ座には1等星スピカがあり、青白く輝いています。
また、おとめ座には有名な「おとめ座銀河団」があり、銀河系の外にある銀河がたくさん見えます。
図の小さなだ円形のものが銀河です。おとめ座の上にあるかみのけ座(図の青い破線より上)にも多いですね。
おとめ座には、Mナンバーがついた(つまり明るい)銀河だけで11個あります。
おとめ座のα星で、青白く、清楚な輝きをもっています。
日本では昔、「真珠星(しんじゅぼし)」と呼ばれたそうです。
スピカは「穂先」の意味で、おとめが持つ麦の穂先に輝いています。
日没直後にスピカが東からのぼってくるときが種まきの時期の目安となったので、農業の女神と結びついたのでしょう。
おとめ座とからす座の境界付近にあります。
形がメキシコの帽子ソンブレロに似ているので「ソンブレロ銀河」と呼ばれています。
うずまき型銀河で、6500万光年の距離にあります。