立山実習のページ 2


2011.6.29 作成

6月18〜19日に大学の立山実習に参加してきました。これは2日目です。


朝,出発

昨日とはちがい,晴れています。

いざ,登山に出発します。



剣御前岳へ

雷鳥沢を登って稜線に出たらそこからは尾根を歩き,剣御前小舎を経て頂上へ。





歩き出してすぐ,赤雪がありました。

また,すじ状に汚れた部分がありました。たぶん表面がとけた際に水が流れて汚れが濃集したのだと思われます。





だいぶ高くなってきました。ロッジが右に小さく見えます。中央にヒュッテも・・・

雪の上を,前の人が歩いたあとに沿って,けり込みながら一歩一歩登ります。



かなり登りました。遠くの山も見えています。

ヒュッテの向こう側,湯気が立ち上っているところは地獄谷です。

地面の温度が高いため,雪がありませんね。

その奥の平らなところは弥陀ヶ原です。



休憩です。T先生は山スキーをはいてスイスイ登っています。

ふと空を見上げると,日暈が出ていました。

これは,氷晶でできた薄雲「巻層雲」が出ているときに見えます。

氷の結晶で日光が屈折・反射して丸く虹色に見えるものです。



さらに上を目指します。

奥大日岳がよく見えました。

山頂付近に右に出っ張った「雪庇(せっぴ)」があります。



稜線に出たので尾根を歩いていきます。両側が雪渓になっているところがありました。
かなりこわいです。

ふと右を見ると,クレバスが口をあけているところがありました。



両側が落ち込んでいるところ,左側の立体写真です。

落ちたらまず助からないでしょうね。



山頂の東側の剣沢から下を見たところです。

黒いところはモレーン、下の方はU字谷になっています。右の写真は学生さんがとったスケッチです。



左の写真、奥が剣御前の山頂です。すでにみなさん到着しています。

その右側は剣沢で、U字谷になっています。雷鳥もたくさんいました。



山頂付近に片麻岩がありました。みごとな縞模様が特徴的でした。

山頂から下り、剣御前小舎あたりに角閃石の自形結晶がちりばめられたような岩石が多く見られました。

最初閃緑岩だと思いましたが、角閃岩かもしれません。


山を降りる



3時間以上かけて登りましたが、帰りは雪渓をすべって降りたので速かったです。

左の方にすべると谷に向かっていって危険なので、何人か止めてあげました。



降りる途中、立山方面を立体で撮りました。雄山の下の山崎カールがわかるでしょうか。



パノラマ写真もつくってみました。右の方にロッジ立山連峰も見えています。

 

帰る途中、セッピョウカワゲラの観察をしました。

沢(?)を越えるとき、沢の周辺に汚れが集中していました。

また、雪の割れ目が沢に平行にはいっていました。沢に雪が落ち込んで割れたものと思われます。



ロッジを撤退

帰る途中、地獄谷が見えました。雪がとけていますね。

みくりが池を立体で撮りました。まだほとんど凍っています。

室堂からバスに乗りました。雪の大谷、弥陀ヶ原がよく見えました。

山の斜面を見ると、あちこちの谷の雪に水平方向の割れ目が見られます。



立山カルデラ砂防博物館

電鉄立山駅のそばにある博物館に入りました。

立山カルデラに関する映像や展示、この地域の成り立ちについて学習できますが、時間がなかったのが残念でした。また来たいです。

ロビーに模型やパネル展示がありました。
内蔵助雪渓で穴に入って調査し、上流側から下流側に流れているような構造を見つけたそうです。
また,最下部には1700年前の氷を発見し,それは日本最古の氷だということでした。

さらに,アイスレーダで地下に巨大な氷体を発見したという記事もありました。




山崎カールの向こう側(東側)の御前沢雪渓が実は「氷河」であるらしいという調査結果が昨秋でたそうです。

氷河とは、雪ではなく「氷が」、「流れている」のが条件だということです。流れていることはGPS受信機を埋め込んで確認したそうで、5日で3.2cm動いたそうです。

このあと富山空港へ向かい、最終便で帰ってきました。肉体的にはとても疲れましたが、精神的にはとても充実し、かつ楽しい実習でした。

お世話になった関係者の方々、特にT先生に感謝いたします。


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