入院日記のページ


2001.10.17 作成

戻る


10/11(木) 車椅子トイレ

 *昨夜はとてもよく眠れた。やはり車椅子で疲れたのだろう。

 *朝、シーツの交換があった。看護婦が7人も来た。この部屋にこんなにいっぺんに看護婦が来たのは初めて。

  壮観だった。

 *午前中に向かいのベッドのSさんが退院した。これで向かいのベッドで退院したのは2人目。

  そこへ一人部屋からイチカワさんがやってきた。彼は僕とほぼ同じ時期に入院したらしい。

  彼は僕より重傷なようだ。今度は先に退院はないだろう。この4人はしばらく固定メンバーになるだろう。

 *午後、初めて車椅子用のトイレに入った。洋式トイレの横にフレームがついているものだ。

  今まで見たことはあったが、使ったのはもちろん初めて。手の力だけで乗り移るのは大変だった。

  うーん、貴重な体験をした。でもこれでやっとトイレが楽になる。

 *ブルガリア日食ツアーで一緒だった大門さんが来てくれた。なんでも仕事で前の道路を通っているとのこと。

  まさにフラっとよってくれた感じだった。

 *またあきらくんが寄ってくれた。ビデオプロジェクタの機種選定の話をした。

 *浜辺先生の本の2作目を読んだ。前作は看護学生向けに書かれた内容だったが、今回のはそうではなかった。

  脳死や告知問題など、どちらかというとちょっと重たい内容だった。いろいろと考えさせられた。

  で、また宣伝。

     「救命センターからの手紙」 浜辺祐一著 集英社文庫 480円

  なお、どうやら最近3作目もでたらしいと、看護婦さんに聞いた。

 

10/12(金) 抜糸

 *朝食をイチカワさんとまちがえられてしまった。一部食べてしまってから名札がちがうのに気づいた。

  やはりイチカワとイシカワはまぎらわしいようだ。メニューも違うのでやや困った事態になった。

  直後に看護婦のM本さんがあやまりに来たが、彼女は全然悪くない。間違えたのは看護婦さんたちではないのだから。

  しかし、まちがえた方は食器を下げに来たのに謝ってくれなかった。気づいてないのか?

  で、対策のためと来客のためにカーテンのところに紙で表札をつけてみた。

  もっとも彼女は「イシカワさん、食事です」といってイチカワさんのを持ってきたので対策にはならないが。

 *この朝で抗生物質の飲み薬も終わり。このところの毎日の膀胱洗浄の効果もあってだいぶ尿はきれいになった。

  やっと点滴や薬からすべて解放された。

 *手術から2週間たったということで、抜糸した。傷口は比較的きれいだった。

  来週からリハビリで、1ヶ月後に立位(歩行器?)、さらに2週間後に全体重をかけるとのことだった。先はまだ長い・・・。

 

10/13(土) 手品

 *昨夜、夢を見た。朝、いつものように学校に出かける夢だった。

  まだ足のつけねが痛いので、ゆっくり歩くように早めに出たのだが、財布や定期、携帯を忘れた。

  あわてて戻ったが、走らないと間に合わなくなった。で、走ったら足が痛くなってしまい、とりかえしのつかないことに・・・。

  ここで目がさめた。しっかりと治さないといけないなぁ。

 *今日から膀胱訓練を始めた。これは膀胱カテーテルの管をハサミのようなもので閉じて流れないようにするものだ。

  これまでは尿は強制排出されていたわけだが、閉じると膀胱に尿がたまる。

  しばらく感じていなかった尿意を、正常に感じるための訓練である。

  やってみると、400cc程度たまると尿意を感じたので問題ないようだ。血尿もない。

 *夕方、となりのTさんのところに、小学校の先生をしているというお客さんが来た。

  突然カーテンの向こうで手品が始まったので、カーテンを開けて僕にも見えるようにしてもらった。

  彼もサービス精神が旺盛で、僕のそばに来て見せてくれたりした。

  Mr.マリックがテレビで見せていたような、お札をペンが貫通する手品にはびっくりした。

  ほかにもコインが消えたり、かわったり、目の前でやっているのにタネがわからない手品で楽しんだ。

  毎日が退屈だったが、久々に楽しめてよかった。小学生にも大ウケらしい。おもしろい先生なのだろう。

 

 ・・・つづく


戻る