研修下見のページ2


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1998.7.24 作成

6月10〜12日、研修の下見(2回目)で岐阜県方面へ行きました。
38度の熱があるにもかかわらず「あずさ」に乗って松本へ。
結局松本の病院で点滴アンド脳のCTを撮影されるハメに。
翌日、少しは熱も下がったので、いざ乗鞍岳へ。

乗鞍岳コロナ観測所

乗鞍岳 乗鞍岳

乗鞍岳は北アルプス(飛騨山脈)の南端に位置する3000m級の火山です。

現在は活動していません。摩利支天岳山頂にコロナ観測所があります。

乗鞍岳コロナ観測所

コロナ観測所

乗鞍スカイラインの終点の畳平駐車場から歩いて30分くらいのところにあります。

このドームは25cmのコロナグラフのもので、もうひとつ10cmのものがあります。

冬はドームが凍って実用にならないので今年の冬からは閉鎖するそうです。
コロナグラフ コロナグラフ全体 コロナグラフの図

25cmコロナグラフです。ヨーク型赤道儀(2本の棒にはさまって棒ごと回転する)にのっています。クーデ型というのは、光路をミラーで何回も曲げて極軸を通すことによって、望遠鏡がどこを向いていても同じ場所で観測できるようにしたものです。上右の図の左下が観測室です。

コロナグラフは屈折望遠鏡の中に太陽を隠す円盤がはいっていて人工的に日食を起こす装置です。コロナは太陽本体の百万分の1の明るさなのでこのような装置と、空の透明度のよい高山の条件が必要なのです。

観測は2年前までは目で見たりしていましたが、最近はCCDで行っています。

コロナ

コロナグラフで撮った写真です。5303A(オングストローム)のフィルターを通しています。

太陽の磁場によってできた内側のコロナの流線が見られます。コロナグラフでは明るい内側のコロナが観測対象です。

ドップラーシフト

太陽の光をプリズムや分光器に通すとスペクトルという色別に分かれた光の帯が得られます。太陽にある元素の吸収によって、その中に吸収線という暗い線がはいります。

太陽の表面から飛び出すサージやフレアというガスの流れがあると、その部分の吸収線の波長がドップラー効果によって短くなるため、写真のように左にずれます。

飛騨大鍾乳洞

ヘリクタイト

乗鞍スカイラインをおりて高山方面へ向かう途中にあります。

ここにはストローと呼ばれる細い鍾乳石が数多くありますが、中でも写真のようならせん状のヘリクタイトという珍しいものがあります。

日本最古の石博物館

博物館全景

下呂温泉から国道41号線を南に下ると、七宗町の「道の駅」にあります。

この近くの飛騨川の川原に日本で一番ふるい岩石をふくむ「上麻生レキ岩」が出るので建てられました。

片麻岩レキ

博物館の中の展示です。

上麻生レキ岩は中生代ジュラ紀(約2億年前)に堆積しましたが、その中の片麻岩のレキが24億年前のもので、それが日本最古の岩石なのです。

オルソクォーツァイト

レキ岩の中にはまっ白のレキもふくまれていて、中を顕微鏡でのぞくと丸い石英の粒でできているのがわかります。

これをオルソクォーツァイト(正珪岩)といい、砂漠のようなところでできるとされています。当時の日本は中国大陸の一部だったのでしょうか。

ゼノリス

博物館の展示のカコウ岩に見られたものです。

このカコウ岩をつくったマグマがまだ溶けていたころ、とりこまれた外来岩片(ゼノリス)が一部溶けかかってこんな形になったのでしょう。

上麻生レキ岩

レキ岩

飛騨川の川原の、実際に見られる場所にも行ってみました。

そんなに広い範囲に出ているわけではありません。

片麻岩レキ

実際の川原でも片麻岩のレキらしいものを見つけられました。

白い部分は石英や長石、黒い部分は角閃石のようです。

オルソクォーツァイト

川原に実際に見られたものです。白くて小さいですね。


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