1998.8.5 作成
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研修前日、下呂温泉まで望遠鏡を置きに行く途中、坂下町を通ったので、有名な阿寺断層を見ることにしました。
左は20万分の1地勢図「飯田」の一部です。左上から右下に左横ずれの断層がはいっています。よく見ると木曽川や付知川がS字状になっています。木曽川を横切るところに坂下町があります。
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木曽川の左岸から右岸をみたところです。20年前に行ったときよりも家が多くなっていて、よく分からなくなってしまいましたが、河岸段丘を断層が切ってずらしています。
画面左下から煙突のあたりを通って右上の山のへこんだところにつづいているはずです。
右岸の坂下駅のすぐ南にある小さな断層崖のところにある看板です。
上部の「阿寺」の部分は壊れています。崖もいまでは草におおわれてわかりませんが、右が高くなっています。
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右岸から左岸をみたところです。左側が右側に対して上がっているのがわかります。
段丘を下から順に見ると、1段目は右側の川原と左側のコンクリートの上の部分が対応し、2段目は右側奥の盛り上がった部分と左側の木が2本植わっている部分が、3段目はそれぞれ奥の針葉樹の植わっている部分が対応しているようです。
右岸のほぼ断層上にそばやが今年建ったようです。オーナーは知っているのでしょうか?
そばはおいしかったです。そばの実の芯だけ使った更科そばと甘皮も使ったやぶそばの両方が食べられます。
横殴りの雨風の中、コロナ観測所へ行きました。しかし、担当者は説明してくれませんでした。しかたがないので私のたよりない説明だけになってしまいました。
この写真は帰り道に雨がやっとおさまったので道ばたの安山岩の板状節理というわれめを撮ったものです。溶岩が冷えたときの割れ目です。
下見では熱のため入らなかったので、今回久々に入りました。
下見のページの坪内氏による写真と同じ場所のヘリクタイトです。方解石が結晶するときに横向きや斜めにのびたものです。
石灰分をふくむ水が天井から垂れ下がりながら水が蒸発して固まり、つららができたものを鍾乳石といいます。
この写真のように細長いものは特に「ストロー」と呼んでいます。
看板には「東洋一の石筍(せきじゅん)」とありました。真ん中から上部にのびた緑色のもので5mくらいあります。石筍というのは床から上にのびたものです。
したたり落ちた石灰分をふくむ水が蒸発してできます。やがて天井からの鍾乳石とつながると石柱といいます。
鍾乳洞の壁に海ユリの化石を見つけました。
おそらく古生代(今から約3億年前)のものでしょう。
昨日の大雨で川が増水しており、5m上流側のレキ岩層には渡れなくて行けませんでした。
これは4枚あるうちの最下流側のものです。砂泥互層をはさんで5m上流側にもう1枚あります。
このレキ岩中の片麻岩のレキが日本最古の石です。
約20億年の年代を示します。同じような岩石は韓国の東側にも見つかるそうです。当時はつながっていたんですね。
日本最古の石博物館の河尻さんは、現場までわざわざおいでくださって説明してくれました。
指さした先に片麻岩のレキがあります。
瑞浪化石博物館の近くの野外学習地です。
昨日の雨で川原は水たまりだらけ。でも終わる頃にはみんな蒸発してましたね。
野外学習地で化石堀りをする有山さんです。
成果のほどは?
博物館の地層の展示です。「不整合」と「非整合」の文字が見えます。
不整合は陸化侵食のあとですが、非整合は陸化せずに時代ギャップができたということらしいです。
博物館にある地殻変動を調べる機器の記録です。30mの石英管伸縮計と水管傾斜計があるそうです。
阪神大震災のときの地殻変動をとらえたようです。
2日目の泊まりは星の家です。またも曇りのために見られませんでした。
でも、ドームや倉庫で星の話や望遠鏡の話、CCD画像の表示などをしてもらいました。
研修室でもお話をうかがいました。左の松本さんは、藤橋村の概要や社会教育と学校教育について話されました。村民は450人しかいないのにプラネ利用者は年間3万人をこえるそうです。
右の小栗さんは実践的なお話をされました。特に地球と月の重さ(密度)を感じてもらうための模型(おもり)をつくられそうで、それを持ったときは重さに驚きました。ちなみに地球の密度は5.5g/cm3です。
濃尾地震の際にずれ動いた断層です。今は草に覆われています。
画面奥から右手前につづいています。右端に断層をしめす看板が見えます。断層館は右後ろにあります。
断層観察館の内部です。断層面を掘り下げてあります。
教育委員会の方が説明してくれました。
たてに2枚の写真を合わせました。北西側の断面です。右があがっていて、落差は6mにもなります。
グレーの層は中生代の泥で、そのすぐ上には新しいレキ層が見えます。右上の黄色に変色しているのは玄武岩です。断層の線の最下部には、断層がずれ動いたときに摩滅してできた「断層粘土」がはさまっているのが見えます。
中央を横切っているのは、歩道の敷石です。
ちょっと北方の「中地区」のお茶畑です。左横ずれ断層が動いたのでこのようになっています。
下見の時に比べてとうもろこしがのびていて、見づらくなりました。どこかの先生が、「あとからこのように植えただけではないのか」とおっしゃってました。
帰りに車で裏通りを通ったら、「根尾の菊花石」を展示販売している店がありました。ご主人は千葉大の先輩で、工学部だったそうです。
菊花石は、石英や長石が二次的に結晶したもののようです。数百万円するとか。
大垣市の赤坂にある金生山は石灰岩でできた山です。セメントの原料をとるために石灰岩を採取していて、山はどんどんなくなっています。
許可をとればはいらせてくれます。下見とはうってかわって晴天で暑かったです。中央右側の崖でとりました。
操業中でダンプも走っており、崖崩れが起きるかもしれないので、ヘルメットをかぶらないと入れてくれません。
そのへんに落ちてる石ころにも海ユリやフズリナがいっぱい入っています。
ころがっていた岩の一部を持って帰りました。
表面に見える白いつぶつぶはすべてフズリナです。フズリナは原生動物で、古生代二畳紀の化石です。