国立天文台は、JR武蔵境または京王線調布からそれぞれバスにのって「天文台」で降りると目の前にある。
本館の地下にある、スーパーコンピュータを見せてもらいました。16台を並列につないであるそうです。パソコンの2400倍もの速度で計算できるそうです。全国各地の大学からアクセスできるようになっています。
入り口から左へ歩いていくと、木々の間に20cm屈折のドームがあります。ここでは毎日、太陽黒点のスケッチ観測を行っています。
カールツァイス製の口径20cm、焦点距離359cmの屈折式望遠鏡です。1927年(昭和2年)に購入したそうで、よくもまあ維持しているものだと感心してしまいます。太陽観測には1938年2月から利用しているそうです。
赤道儀の駆動装置です。今の赤道儀とはちがい、電気を使わないので停電でも観測できます。おもりを巻き上げて作動しているので、重力で動いています。おもりの回転をプロペラシャフトで赤道儀の軸に伝えていました。
入り口から一番遠いところにある望遠鏡です。前回の太陽活動の極大の頃にできました。4本の望遠鏡が同架してあります。可視光画像、Hα画像、磁場、速度場という4つの観測が同時にできます。
フレア望遠鏡による画像です。左からHα線による彩層(黒点の上空が光っている)、可視光線による光球(黒点)、そして黒点のまわりの磁場(極性によって色がつけてある)です。
3年前にできた赤外線用の望遠鏡です。ハワイに建設中の口径8mの大望遠鏡「すばる」のための技術開発・シミュレーション用につくられました。口径は1.5m、重量は14トンです。架台は経緯儀式で、接眼部には500kgまでの観測機器がつけられるそうです。この写真は主鏡のうらから見たところです。
望遠鏡の上部です。先からのぞかせてもらえました。副鏡は赤外線をよく反射するように金メッキされています。形式はリッチー・クレチアン式で、入射した光は2回反射した後、主鏡中央の穴を通って主鏡のうしろで観測できます。
シミュレータの部屋で本校の講師の川端先生に会いました。赤外線による観測の説明をしていました。指さしているのはオリオン座大星雲の画像です。ガスにかくれていて可視光では見えないような、星の誕生する現場を見ることができるそうです。
天文台の敷地の中央部に位置する大きなドームです。南北と天頂方向しか見ないのでドームはまわりません。ドームの北と南の少し離れたところにはレーザー光を出す設備があって、方位の目印になっています。
子午儀というのは、星が天の子午線(北から天頂を通って南にいたる線)を通過するのを観測する装置です。すでに位置が正確にわかっている星の子午線通過を観測することによって、地球の自転を監視できます。この装置では肉眼を使わず、星を見るのも目盛を読むのもすべて光電的に機械でやるそうです。
地球上の遠く離れた2つ以上の電波望遠鏡を組み合わせて使うことによって、より大きな口径の電波望遠鏡で観測したのと同じように、遠くのものが細かいところまで見える効果をあげることができ、それをVLBI観測といいます。
今年の2月、宇宙科学研究所が内之浦から新型のM−V型ロケットで打ち上げた衛星「はるか」は、宇宙に電波望遠鏡をおいて地上の望遠鏡と連動させ、口径3万kmもの望遠鏡を実現させようというものです。これをスペースVLBIまたはVSOPと呼ぶそうです。
展示室の前でクイズをやっていました。写真コースと模型コースがあって、それぞれ10問ずつのうち8問あたれば衛星の写真や模型製作キットがもらえました。模型コースの方がややむずかしかったです。小学生の女の子たちが説明のおにいさんにヒントや答えをねだっていました。
「はるか」の製作キットをクイズに答えてもらい、自宅におみやげとしてもって帰りました。長男のひろきがつくります。
模型は紙とようじとスチロールで作るようになっています。とめるところは、のりやピンでとめるようになっていてとても簡単です。
完成しました。模型は実物の1/100なのでアンテナの直径は8cmです。