2001.4.11 作成 6.6更新
渋谷の五島プラネタリウムが閉館になるとのことで、見納めに行きました。
五島プラネタリウムは、渋谷の東急文化会館の8階にありました。
外からもプラネタリウムの丸いドームがよく見えました。
駅のすぐそばで交通の便は最高でしたが、最近は客足が遠のいていたようです。
残念ながら2001年3月11日、ついに閉館となってしまいました。
最終投影が近づくにつれ、名残を惜しむ人々が見に来たので、連日大混雑でした。
午前10時から整理券を配りましたが、午前中に夜の投影分までなくなる日もありました。
私が行ったのは3月8日で最終日3日前でしたが、切符を購入後2時間待ちでした。
整理券をもらえば必ず座れるのですが、いい席につくために、投影40分前に並びました。
今回の投影のポスターです。
「いつまでも皆さんの心に残る星空でありますように」
「44年間ありがとうございました。」の文字が見えますね。
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44年間使われた投影機です。ドイツのツァイスW型です。
前で記念撮影する人もいました。
立体写真ですので、右目で右の、左目で左の画像を見て下さい。
ライトが手前にあることと、投影機が前後になって見えます。
投影機はアリのような姿ですね。
投影機は2つのボールを棒でつないだような形です。
ボール状の部分に電球が入っていて、その光で星が投影されます。
機械は星の動きを再現するために北極星を中心に回転できるようになっています。
また、世界各地の空を見せるために緯度の変化も実現できます。
さらに過去や未来の星空を見せるために、黄道の極を中心に回転することもできます。
投影機のボール状の部分です。レンズがたくさん見えますね。
星はこのレンズを通してドーム状のスクリーンに投影されています。
星数は約8千900個で、実際の空の肉眼で見えるよりも暗い星まで投影できます。
ふつうの星以外の天体(太陽・月・惑星)の投影機は胴体部分にあります。
1等星もふつうの星とは別に投影機がつくられています。
1等星は肉眼で色がわかるため、プラネタリウムでもひとつひとつ色をつけて投影するからです。
解説者がすわるところです。ドームの北側にあります。
機械がところせましと並べられていて、たくさんのボタンやつまみがあります。
スライド映写機もここに設置されています。
解説台の周辺に席をとると、もっとも見やすくなります。
ガリレオ自作の世界初の天体望遠鏡です。
彼はこれで数々の発見をしました。
月のクレーター、太陽の黒点、金星のみちかけ、木星の4大衛星、天の川がこまかい星でできていることなどです。
しかし、土星の環は発見していません。
レンズの直径が4cmしかない彼の望遠鏡では、環は本体とくっついてしまい、コブにしか見えなかったのです。
館長の村山定男先生のご専門である隕石も数多く展示されています。
隕石には、石のような石質隕石、金属でできている隕鉄、それらの中間のような珍しい石鉄隕石の3種があります。
写真は、石と金属中に石が埋め込まれたように見えるパラサイトという石鉄隕石です。
1トン以上あるものから切り出したものです。
メシエ天体のカタログを作ったことで有名な「メシエ」の肖像も展示してありました。
日本の古い星の呼び名である「和名」がいくつか展示されていました。
北斗七星は「ひしゃくぼし」、すばるは「はごいたぼし」です。
なお、「すばる」は漢字で「昴」と書き、枕草子にも「星はすばる」と出てくるちゃんとした日本語です。
今から44年前、1957年4月の第1回投影時のパンフレットが展示されていました。
なんとなく、時代を感じます。