2000.4.16 作成
3月27日から29日、卒業記念に卒業生7人と蔵王温泉へスキーをしに行ってきました。以下はそのようすです。
蔵王スキー場へは山形新幹線とバスで行きました。新幹線2時間半、バス40分でつきます。
ゲレンデは上から下まで長く、なおかつ広いです。
メンバーは僕のほかに7人。1泊が4人、3泊が3人、僕は2泊でした。
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蔵王の山頂付近には有名な樹氷があります。
山頂までロープウェイで行くと樹氷の間を縫っておりる「樹氷原コース」を滑ることができます。
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見頃は2月でもうシーズンは終わりです。左写真のように低いところはだいぶ融けてました。
山頂付近は右の写真のようにまだ融けていません。
ロープウェイをおりたら「かまくら」があり、雪のお地蔵様が安置されていました。
地蔵岳という地名にちなんでいるのでしょう。
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樹氷は、大正3年に発見され、「雪の坊」というかわいらしい名前で呼ばれていたそうです。その後昭和4年に樹氷という名前がつきました。
ステレオ写真だとモコモコしたようすがわかります。
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左の樹氷の陰には和貝が、右には山崎が写っています。これもステレオ写真です。
この晩に降った雨でこれらの樹氷はすべて融けてしまい、樹氷は見られなくなりました。
樹氷は世界的にも珍しく、東北地方の蔵王・八幡平・八甲田山ぐらいにしか見られません。
亜高山帯のアオモリトドマツの木が樹氷をつくっています。
樹氷ができるための条件は次の3つが考えられます。
1.アオモリトドマツなどの着雪が起きやすい針葉常緑樹があること
2.過冷却水滴と雪片を多く含んだ風が常に一定方向から吹き付けること
3.積雪が多すぎず、しかも少なすぎないこと(2〜3m)
樹氷のできかたは、雪の結晶のできかたににています。雪は雲の中でできます。
雪の結晶は、空気中のほこりなどの凝結核に過冷却水滴がふれて凍り付いてできます。
針金に過冷却水滴を含む空気を一方向から吹き付けると風上にむかって氷がのびていきます。
これは実験室でつくることができます。
櫛形のモデルをつくって同じように実験すると、だんだん初期の樹氷に近い姿になります。
さらにつづけると丸くなっていくでしょう。
樹氷の断面を見ると、「エビのしっぽ」と呼ばれる構造が見えます(風は右から吹いている)。
これが風上に向かって成長して樹氷のもとができます(着氷)。
次に、エビのしっぽのすきまに雪片がつまっていきます(着雪)。
そしてそれらがとけあって固く凍りついていきます(焼結)。
樹氷の断面を偏光顕微鏡で見たところです。
氷の結晶が横方向に結びついているのがわかります。
一定方向の風で成長したためです。
つまり冬の日本海をわたってくる北西の季節風が樹氷を生み出すわけです。
樹氷のシーズンは2月。そのころはこんな景色がみられるそうです。
この写真は絵はがきです。いつかこういう景色も見てみたいものです