1等星:1個=デネブ
9月1日午後8時の東から見上げた頭上の空です。
はくちょう座は北十字星ともいい、十字型にきれいにならんだ星の列がみごとです。
夏から秋の夜、空高く見上げると、夏の大三角形が見え、その一角にはくちょう座の「デネブ」が位置しています。
夏の大三角のうち、もっとも暗い星がデネブです。デネブとは「しっぽ」の意味で、その名の通り白鳥の尾に輝いています。
中国や日本では、白鳥は七夕の夜、羽を広げており姫をひこ星のところへ渡してあげると伝えられています。
はくちょう座は天の川の中にあるので、そういう伝説が生まれたのかもしれません。
写真では、全体が天の川にうもれているのがよくわかります。天の川にそって南へ飛んでいるようにも見えますね。
このあたりには星雲や星団もたくさんあります。空の暗いところで双眼鏡で見ると、ものすごい数の星が見えてびっくりします。
はくちょう座には、M29、M39の2つのM天体があります。
また、美しい連星アルビレオもあります。
はくちょう座のくちばしに輝く3等星です。
望遠鏡で見ると、オレンジに輝く主星のそばにちょっと暗めの伴星がうす緑に見えます。
実際には緑の星ではなく白いのですが、オレンジの補色の緑に見えているようです。
はくちょうの十字型の中心にあるγ星に双眼鏡を向けると、すぐそばに星が数個集まっているのが見えます。
これがM29です。望遠鏡で見ると6つの星がさいころの6のような形に並んでいます。
あまりにも小さいのではじめは星団だと思わないで見逃すかもしれません。
白鳥の尾のデネブの先に双眼鏡を向けると、ごちゃごちゃ集まった星々がはいってきます。
これがM39です。望遠鏡では大きすぎてかえってまばらになってしまいます。
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スパルタ王テゥンダレオスの妻レダは、泉に素足を沈めてみました。 「あー、いい気持ち。思ったより冷たくないわ」 レダは両手で水をすくって、唇をつけてみます。 色好みの大神ゼウスは、この様子を天空から見ていました。 「おお、なんと美しい!よし、白鳥に姿を変えて下りて行ってやろう・・」 |
![]() | あっという間にゼウスは白鳥になり、泉に降り立ちました。 「誰?あ、白鳥か。びっくりした。こっちにおいで。一緒に水浴びしましょうね」 「コー、コー」 「立派なつばさね。こうしてあなたを抱えていると、とってもあったかくて幸せな気持ちになるわ」 「コ、コ、コー(強く抱きしめられて、うれしいよー)」 「あれ、あなた何か言った?私 今、言葉を感じたわ。あなたは、嬉しいのね」 白鳥の姿をしたゼウスはさらに身体を寄せていきました。 |
![]() | そうしてレダは、身ごもりました。 やがて森の奥でレダは、2つの、ヒヤシンス色の卵を産み落としました。 「オギャー、オギャー、オギャー」 それぞれの卵から双子が生まれました。最初の卵からは、 「ボクは、ボクシングの名手カストル」 「ボクは、馬術の達人ポリュデウケス」 |
![]() | そして、もうひとつの卵からも、双子が・・ 「私、絶世の美女ヘレーネ。トロイア戦争の原因を作ってしまうの」 「わたくし、ミケーネ王妃クリュタイムネストラ。我が子に仇をうたれてしまうの」 こうして様々なドラマを作る人々が生まれたのでした。 |