ふたご座 Gemini


1等星:1個=ポルックス


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見え方

ふたご

4月7日午後7時半の西の空のようすです。

ふたご座は星占いでおなじみの黄道12星座のひとつですから、太陽や月・惑星もときどき通ります。

先月見たオリオン座が見えたら、その上を探すと明るい星が2つ見えます。

これがふたご座のα星カストルとβ星ポルックスです。晩秋の夕方には東の空に、春の夕方には西の空に低く見えます。

空の暗いところへ行くと、2つの明るい星からオリオン座方向へ星の列が2本見え、ふたごの姿がわかります。

ふたご座 写真

左上方の明るい星が2つあり、右がカストルで青白く、左がポルックスでオレンジです。

兄のカストルは1.6等、弟のポルックスは1.2等と弟の方が明るくなっています。

ポルックスがオレンジで、カストルが青白いので、昔、「きんぼし、ぎんぼし」と言ったようです。

さきごろ亡くなった「きんさん、ぎんさん」みたいですね。

ふたごの足もとには天の川があるので、写真では多くの星が写ります。

足もとにM35のぼやっとした姿も写っています。

見どころ

M35

ふたご座の兄カストルの足もとには、散開星団M35という大型の星団であるM天体があります。

M35

M35

M35は、星がぎっしりつまった三角おにぎりのような星の集団です。

2800光年の距離にある散開星団です。

星数は200程度で、年齢は1億1000万年です。


神話

「星になった双子」

イラスト1

輝く春の陽を浴びる、ロータス川のほとり。美しい人妻レダがいました。

「我は、大神ゼウス!あの美しいレダを、我が物にしよう!」

そして10ヶ月後…。「おお、レダよ、よくぞ、立派な息子達を産んでくれた」

「可愛い双子です。名前は、カストルと、ポリュウデウケス」

ふたりはそっくりでしたが、カストルが人間の子なのに、ポリュウデウケスは神の子で、死なない体を持っていました。


イラスト2

「ポリュウ、今日はアルカディアに、牛を捕まえに行こう」

「うん、カストル、いっぱい捕まえようね。いとこの双子も連れて行こうよ」

4人は、大量の牛を捕まえることができましたが、分けるときに、いとこの双子が言いました。

「1頭の牛を4つに分けて、早食い競争だ。自分の分を早く食べ終わった2人が、牛を二等分して持って帰る」

いとこの双子の早いこと、早いこと。あっという間にたいらげてしまいました。

「じゃあ、オレ達2人が勝ったから、牛を全部貰っていくよ」

「ずるいよ!一緒に取ったんだから山分けだろ!」「よーし、牛を取り戻してやろう。ポリュウ、先回りだ!」


イラスト3

ふたりは先回りして、樫の木の穴で、いとこが牛達と到着するのを待ちました。

「やや、あそこの木の穴に、ふたりが隠れている。」

「じゃ、剣で一突きだ!エイッ!!」

「ああ〜〜!うう!」「あっ、カストル!しっかりして!」

「ええいっ、ポリュウも一突きだ!」「あれ?何故ポリュウは死なない?」


イラスト4

騒ぎに気づいたゼウスは、激怒しました。

「ああ!カストル!よくも、我が子を殺したな!!」

ゼウスは、稲妻で、いとこの二人を焼き殺しました。

「おとうさん、どうかカストルを生き返らせて下さい。」

「カストルは人間の子で、お前は神の子だ。神の子は死なぬ。」

「そんな!僕も死なせて下さい!」

「では、お前達ふたりを、空の星にしてあげよう。そうすれば、ふたりいつも一緒にいられる」

こうして、ふたりは仲良く空に登りました。肩を組んでいるふたご座が、空に輝いているのが見えますね。


この神話は、2001年4月7日の放送で紹介されました。

出演:カストル・双子の兄・ゼウス            舩山陽司

   ポリュウデウケス・双子の弟・レダ・語り手     大橋照子

 文:    鈴木省一 ・ 大橋照子   

 絵:    白石五馨          




クイズ

クイズに答えてミールやふたご座の写真はがきをもらおう!

正解者のうち抽選で10名に特製写真はがきを送ります。

ヒントは神話の中にあります。放送を聞いて答えればいいですね。 〆切は4月末日です。

では問題です。

ふたご座になった双子の兄の名前はなんでしょう。

 A ピストル  B パステル  C カストル

クイズに応募する方はこちら




星図はアストロアーツ製「ステラナビゲータ」で作成しました。


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