1等星:1個=ベガ(おりひめ星)
8月4日午後8時の東から見上げた空です。
こと座は夏の星座です。この時期の夜、頭の上に小さく見えています。
ベガはアルタイル、デネブとともに夏の大三角形のひとつで、おりひめ星とも呼ばれ、本当は0等級で明るいのですぐわかります。
しかし、ベガのほかは明るい星がないので、都会では肉眼で見るのは難しいです。
双眼鏡などがあれば見えますので、ごらんください。
こと座はベガ以外は暗い星ばかりですが、小さな平行四辺形がつくられていてわかりやすいです。
こと座には、有名なM57(リング星雲)があります。
また、こと座ε星はダブル・ダブル・スターと呼ばれる多重星です。
M57は、こと座の平行四辺形の四辺のうち、ベガから一番遠い辺のほぼ中央に位置します。
リング星雲、環状星雲、ドーナツ星雲などと呼ばれ、その穴があいている姿はとても印象的です。
この天体は、1400光年かなたの星が、その終末期にガスを放出したもので、直径は0.5光年ほどもあります。
本当は風船のように球状なのですが、端の方はガスが厚く見え、中央は薄く見えているので穴があいて見えます。
こと座のε(イプシロン)星は、双眼鏡でもわかる二重星です。
ところが、望遠鏡で高倍率をかけて見ると、それがさらに2つずつの連星であることがわかります。
そこで俗に「ダブル・ダブルスター」と呼ばれています。
左の写真ではわかりませんが、上下の2つの星がさらに2つずつに分かれています。
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オルフェウスの竪琴は、それはそれは美しい音色でした。草木も、けものも、岩でさえも、心を動かされる調べでした。今日も、オルフェウスは、妻の愛らしいエウリュディケと・・ 「君のために、竪琴を弾いてあげよう」 「嬉しいわ。こんなに幸せで怖いみたい・・・あ〜っ!いたい!」 「エウリュディケ!どうしたんだ? あっ、毒蛇!」 |
![]() | エウリュディケは、毒蛇の牙に、あっという間に命を落としてしまいました。 「なんということだ!こんな悲しいことがことが起こるなんて!」 何日も、飲まず食べず眠らず、深い悲しみに沈んでいましたが・・・ 「そうだ、妻を連れ戻しに、冥界へ行こう!」 三途の川の渡し守も、地獄門の番犬も、みんなオルフェウスの竪琴を聞くと、おとなしくなりました。 |
![]() | 「私は、冥界の王ハデスだ。おまえは何をしに来た!」 「ハデス様、私はもう一度妻に会うために、ここに参りました。あなたが、おきさきのペルセポネ様を思うように、私にはエウリュディケが必要です。どうか、もう一度、エウリ
ュディケの命に、火をともすことをお許し下さい」 オルフェウスは竪琴を弾きながら、一心に頼みました。 「オルフェウスよ、お前の気持ちは良く分かった。エウリュディケは連れていけ。だだし、条件がある」 「条件?なんですか?」 「エウリュディケは、お前の後を付いて行く。だが、地上に出るまで、けっしてエウリュディケと話をしてはいけない。振り向いてもダメだ。それが守れなかったら、お前は永遠にエ
ウリュディケを失うことになるぞ」 「はい、分かりました。大丈夫です!」 |
![]() | 二人は、すぐに出発し、暗い洞穴を登って行きました。 オルフェウスは、地上に出たら・・と楽しい空想に浸りながら歩いて行きました。 「もうじき地上だ!あと少し!我慢するんだ!・・しかし、後ろから足音がしないぞ・・・速く歩き過ぎてエウリュディケが付いて来られないんじゃないかな・・。疲れてしまったのを、置いてきたんじゃないだろうか・・」 オルフェウスは立ち止まりました。「足音がしない。追いつくまで、待っていよう・・・」 待っても待っても、足音が聞こえてきません。「ゆっくり、歩いて行こう・・・いや待てよ、ハデスが騙したのかもしれない・・・エウリュディケはいないのかもし
れない!」 出口の光が見えて来ました。オルフェウスはたまらず振りかえりました。 「あっ!」 エウリュディケは、小さく叫ぶと暗闇に溶けて行くように消えていきました。 「エウリュディケ!だめだ!消えてはだめだ!ああ、私は、なぜ、振り返ってしまったんだ!なぜ、信じられなかったのだ!」 「オルフェウスさま!私のために地獄まで来てくれてありがとう!嬉しかった!」 エウリュディケの目は、そう語っていました。 その後、オルフェウスの行方は分かりません。でも、その竪琴はアポロンの神殿に捧げられ、ゼウスが空に投げ上げて、愛の記念の星座、「琴座」になったということです。 |