しし座流星群のページ

1998.11.10作成 11.17更新

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1833年
この図は1833年に大出現したときの絵です

齋藤真弓さんからの、「素人にもわかるしし座流星群の案内を」という

リクエストにおこたえして開設しました。


このページはあなたからの質問でつくられます。

毎日追加したり、挿入して番号がかわったりしています。

しし座流星群 Q&A

Q1:しし座流星群ってなに?

しし座の方向から多数の流星(流れ星)が見られるものです。
1時間に数百個も(あるいは数千個も)見られるかもしれません。
今年は32年ぶりにたくさん見られるかもしれないというのでTVや新聞でもさわいでいます。

Q2:いつ見えるの?

毎年11月中旬に見られます。
今年は11月17日火曜の深夜0時頃から明け方(18日水曜未明)5時に見られます。
ピークは4時か5時といわれています。が、なってみないと何時にピークかわかりません。

Q3:どっちに見えるの?

しし座はこの季節は夜半過ぎに東の空からのぼってきます。
流星はしし座から四方八方に飛び出すように見えます(下図参照)。
ですからだいたい東の空を見上げていれば見られます。
流星群

Q4:どのくらいの高さを見ればいい?(同じく齋藤さんからのリクエストです)

流星はだいたいが20度(片手を広げてのばした親指から小指までの長さ)以上に長く見えます。
しかもあっちこっちに出ますから、1点を見るのではなく、空全体をなんとなく見て下さい。
しいていえば、しし座がのぼる0時から1時くらいは東の空全体を見上げてください。
ピークと思われる4時から5時はしし座も60度にあがっているので、寝転がって真上の方向を見ましょう。

Q5:どこで見ればいい?

空が広く見られるところで、空の暗い(明かりの少ない)ところです。
東京ではビルもあるし、明かりもあるので見える数が少なくなります。
平日なので我々は、東の空が暗いところで東京からもっとも近い九十九里浜へ行きます。

Q6:東に山があっても見られる?(鮫島加奈さんから)

東の空に注目とはいっても、そこから放射状に見えるので、南にも北にも見えます。
頭の上を通過して西の空にも飛んでいきますから、充分見えるはずです。
3時からあとはむしろ寝転がって真上の空を眺めた方がいいくらいです。

Q7:出かけられないのですが、都会でも見られる?(福島晃江さんから)

流星の明るさはひとつひとつ違っています。
都会でも明るい流星ならば数が極端に少ないですが、見ることはできるでしょう。
近くに明かりがあると見えなくなるので、そういう所をさけて見て下さい。

Q8:部屋の窓からでも見える?(齋藤真弓さんから)

部屋を暗くして、10分くらい目を暗さにならしておけば見られます。
東か南に向いた窓の方がいいでしょう。
できるだけ窓に近寄って広い範囲を見るようにしてください。

Q9:海と山はどっちの方が見やすいの?(栗山健弘さんから)

東側に海があるところの方が暗くてよいと思います。
ただし、この季節だと冷え込んで霧が出ることがあるので要注意です。風があれば大丈夫でしょう。
山へ行くなら東に都会がないところを選んで下さい。ただし寒さ対策を注意しましょう。

Q10:望遠鏡はいらない?(鮫島加奈さんから)

前もってどこに出るかわからないし、動きもはやいので望遠鏡は使えません。
望遠鏡の視野は倍率を上げるほどせまくなってしまいます。
肉眼で見るのが一番です。

Q11:流れ星の正体は?(大橋照子さんから)

空に光っている星が流れるわけではありません。
宇宙空間に浮かんでいる砂粒ほどの塵が地球に飛び込んできて、大気とのまさつで発光します。
つまり流星は大気中の現象で、高さ100kmくらいで光ります。雲(15km以下)よりはずっと高いですね。
飛んでくる速度はいろいろですが、少なくとも秒速数十kmと、ロケットより速いです。

Q12:落ちてこないの?(大橋照子さんから)

しし座流星群の流星はまず地上まで落ちてはきません。砂粒ほどなので燃え尽きます。
ご安心下さい。しかし、宇宙は広く、ときにはこぶし大以上の岩石が飛んできます。
そうすると燃え尽きずに落下して隕石となるのです。こわいですね。

Q13:どうして流星がたくさんでるの?

流星群のもととなる塵は、彗星によって宇宙空間にまき散らされています。
彗星は氷や塵でできていて、太陽光にあたると溶けてガスや塵をまき散らして尾をつくります(下図)。
そのため軌道上には塵がたくさんまわっていて、そこに地球がつっこむと一斉に塵がふってくるのです。
軌道図

Q14:どうして毎年きまった時期になるの?

流星群が見られるためには、塵のもとになる彗星(母彗星)の軌道が地球の軌道と交差している必要があります。
その交差している場所が決まっているので、毎年そこを地球が通るときに流星群が見られるのです。
ほかにも8月13日頃のペルセウス座流星群や1月4日頃のしぶんぎ流星群などが有名です。

Q15:なぜ32年ぶりに多く見られるの?

塵は彗星によって軌道上にまかれますが、その濃さは場所によって異なります。
新しい彗星ほど、まだ軌道上に平均化せず、彗星の近くにしか塵がありません。
しし座流星群の母彗星のテンペル−タットル彗星は33年周期でまわっており、今年の2月に通過したばかりで、塵が濃い部分に地球がつっこむからです。

Q16:なぜ放射状に見えるの?

流星のもとになる塵はすべて平行に地球に飛び込んできます。
それを地球上から見ると放射状に見えるのです。
ちょうど線路に立つと平行なはずの線路や電線が放射状に見えるのと同じです(下図)。
その飛び出してくるように見える中心を放射点といい、それがしし座の方向なのです。
線路

Q17:どれくらいの長さに見えるの?

新聞などの写真では線状に写っていますが、実際は点状のものが流れていきます。
全体の長さは、もとの塵の大きさにもよりますが、出る場所によってほぼ決まります。
電車を見るときも、横から見ると長く見え、ななめから見ると短く見えるでしょう。
流星も放射点のそばに出るものは短く見え、離れたところには長く流れます。
放射点に出た流星は自分に向かってくるので光ってから動かずに消えます(停止流星)。
もしも消えなかったら、危ないのでよけてください。(^^)

Q18:ひとつの流星はどれくらいの時間見えているの?

流星のもとになる塵の大きさが大きいほど燃え尽きるまで時間がかかります。
ですが、多くの流星は1秒とたたないうちに燃え尽きます(Q3のアニメーション参照)。
そうでないと3回願い事をいわれてしまってかなえなきゃならなくなります(?!)。
せいぜい「かねくれ、かねくれ、かねくれ」くらいしかいえませんね。(^^)

Q19:いくつくらい見えるの?(中田悦子さんより)

これはむずかしい質問です。まず見る場所の空の条件によります。
明るい(明かりの多い)ところでは極端に減ります。暗いところほど多く見えるのです。
建物の間から見るのと、広い範囲の空を見るのとでも違ってくるでしょう。
暗いところで広範囲を見ていくつ見えるのかということは、その時になってみないとわかりません。
仮に夏のペルセウス座流星群程度だとしたら1時間に50〜100個(数人で全天を見て)です。
過去の大出現のときには1分間に数万も出たようです。こういうのを流星雨といいます。

Q20:日本が条件がいいというのはなぜ?(藤枝さやかさんより)

塵が一番濃いところに地球がつっこむのは、日本時間の18日午前3時〜5時といわれています。
このとき昼間であるアメリカでは見ることができません。
また、ヨーロッパでは夜にはなりますが、しし座がまだ地面の下なので流星が見られません。
夜で、しかもしし座がのぼっているのは東アジアだけなのです。
中でも日本は一番東にあるのでしし座が空高く見えて流星もたくさん見えます。
地球儀
「日本時間5時に流星から見た地球」を地球儀でやってみた。普通とは逆に暗いところが昼間。
つまりこの図で明るく見えるところでしか見られない。日本は正面になっていて好条件。

Q21:どんな服装で見ればいい?(岡野義徳さんより)

服装
明け方はかなり冷え込みます。真冬の格好をしないとつらいです。
上はタートルネックにトレーナー、ジャンパーまたはダウンジャケットなど。
下はタイツにズボン、さらにスキーウエアなどをはきます。
特に冷えるとつらいのは手先・足先と首や耳です。
厚手の手袋、靴下、防寒ブーツなどは必需品です。
首と耳はマスクやマフラー、帽子で防御しましょう。
背中に張り付けるタイプのカイロを入れるといいです。

Q22:どんな体勢で見ればいい?(岡野義徳さんより)

体勢
ずっと立ってるのも大変ですので、いすを用意して下さい。
おりたたみイスが携行に便利です。
写真のようにゆったりと座って東の高い空を見上げましょう。

Q23:写真はどうやってとるの?

写真撮影
シャッターを開きっぱなしにできるカメラ(できれば一眼レフ)が必要です。
シャッター速度にBとかTがついているものを用意して下さい。
三脚にカメラを固定し、レリーズ(シャッターを押しっぱなしにする道具)をつけます。
フィルムは400か、暗い空なら1600です。
絞りは開放か1段絞りで。
レンズはできれば広角の28mmか35mmくらいがいいです。
どこにでるかわからないので、適当にしし座の周辺にむけます。
B
5分から10分くらい露出してどんどん撮りましょう。
あとで見ることも考えて露出時刻などのメモをとります。
流星は一瞬の現象なのでよほど明るくないと写りません。
向けている方向に明るいのが出たら、時刻や流れた方向などの特徴もメモしておきましょう。

Q24:ビデオでもとれる?

家庭用のビデオカメラでも明るい流星ならば写ります。
ただ、明るいものしかうつらないので、つまらないかもしれません。
ズームは一番広角側でもいいのですが、やや望遠側の方が暗いものもうつるかもしれません。
でも写る範囲がせまくなるので、むずかしいところです。
シャッタースピードがかえられるものでは一番遅くしてください。
あとはテープを入れて三脚に固定してとるだけです。
バッテリー切れに注意して下さい。乾電池を使えるようにできる部品も売っています。
ただ空に向けるより下の方に風景が一部はいっているほうがいいです。
ただし、あまり明るい物は入れないで下さい。かってに絞られてしまって画面が暗くなります。

Q25:流星ってどのくらいの明るさなの?(小林礼学くんより)

明るさはさまざまです。暗いものは肉眼でやっと見えるものから、明るいのは1等星より明るくなります。
ひとつの流星でも、輝きはじめてからどんどん明るくなり、最大に明るくなったかと思うとすっと消えます。
その最大光度のときにぱっと光ったり爆発したりすることもあります。
下を向いているときに照らされたのがわかったという経験もけっこうあります。
明るい流星のことを「火球」といいます。大火球になると数秒間流れることもあります。
そうなると願い事もいいたいほうだいですね。

ひとまず終了です。今夜はたくさん流れるといいですね。


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