立山実習のページ 1


2011.6.23 作成

6月18〜19日に大学の立山実習に参加してきました。これは前夜から1日目です。


立山の位置

場所は富山県南部です。標高2400m以上です。

室堂のバスターミナル(標高2430m)までは電車,ケーブルカー,バスを乗り継いで行けます。

あとは雪の中を歩いていくしかありません。泊まりはロッジ立山連峰でした。

前夜

飛行機で富山へ行き,富山城のそばの温泉つきホテル「剣の湯 ドーミーイン富山」に泊まりました。

温泉はぬるっとしたアルカリ性の温泉のようでした。

夜,富山城址公園を散歩してみました。富山県のマークをかたどった(?)オブジェがきれいです。

室堂へ


電鉄富山駅に6時20分集合,電車で終点の立山まで行き,ケーブルカーに乗り換えました。

ケーブルカーで美女平に着き,バスに乗って室堂へ。










途中,「星の空」という地ビールに興味をひかれました。

室堂到着

室堂へ向かう途中,日本一の落差を誇る「称名の滝」が見えました。

火砕流堆積物から成る「弥陀ヶ原」を上っていくと,道の脇は雪だらけ。












とうとう7,8mはあろうかという雪の壁が出現!
「雪の大谷」と呼ばれています。

そこを通過するとすぐに室堂のターミナルに着きました。

到着は9時半でした。

いざ,調査へ

階段で着替えをすませ,いざ雪の上へ・・・。

まずはT先生から,調査の概要説明。

ちょっと天気が悪いのですが,みんな笑顔で元気です。



室堂からの景色。写真をつないでパノラマ画像にしてみました。


調査 その1

調査の項目は,不純物,黄砂,アルベド(反射率),同位対比,密度,温度など。

とりあえず私も雪の表面の不純物(黄砂)を調べることにしました。

私は,百円ショップで買った氷用のスコップと容器を使い,20cm四方の氷をとりました。

表面は黄砂で汚れていましたが,表面を削ると,中はきれいな雪でした。

こちらはアルベドを調べている班です。

この器械は波長ごとの反射率を調べられるものでとても高価だそうです。

深さ2mの穴を掘りはじめたところです。虫を発見。アブラムシが飛んできたようで・・・生きていけないでしょうね。

室堂山へ

    

雪の上を室堂山まで登ることにしました。天気が悪く,登り始めてすぐ,霧にまかれてホワイトアウトに・・・

そういえば,室堂のターミナルにこんな看板が・・・「冬山と同じ」って!・・・寒いわけだ。







それでもがんばって室堂山の山頂で雪をとって調査しました。

けっこう汚れていますね。黄砂でしょうか・・・


そうしているうちになんだか霧が薄くなってきました。

立山カルデラ

行いがよかったのか,一瞬霧が晴れて立山カルデラを見渡すことができました。

残念ながら薬師岳の山頂はわずかに雲の中でしたが,なんとか全体を見ることができたのは運がいいとしかいいようがないですね。

左の3組の写真は立体写真のつもりですが,あまり立体的には見えないです。

上から,カルデラから常願寺川が出ていく西方向,



南方向の鷲岳から薬師岳方面,



南東方向の鬼岳・獅子岳方面です。

再び室堂へ

 調査を終え,再び室堂に向かいますが,帰りはおしりですべって降りてきたので快適でした。

 動画もあります。こちらでどうぞ。

調査 その2

    

降りてきたら,ピット(穴)が約2mの深さになっていました。掘るの,大変だったでしょうね。

断面はほぼ右のようなざらめ雪で,一部は氷(氷板)になっています。氷板は一度とけてから凍ったのだそうです。








 また,左の写真のような,縦にヒビがはいったような構造があり,これは「水道(みずみち)」というそうです。

われめや穴にそって表面から水がしみこんで凍ってできたということです。

右の写真は温度計をつきさして,温度を測っているところです。

10cmごとにはかっていましたが,上から下まですべて0.7℃でした。

穴を掘ってから時間が経ってしまったためだということでした。

はかっている人のおなかのあたりに横にすじが見えているのが氷板だと思われます。

密度を測定しているところです。

雪に器具をつきさしてからひきぬき,わくをはめてはみだした雪を取り除いてから質量を測定します。

器具の体積があらかじめわかっているので,密度を計算して求めることができるわけです。

頭のいい方法ですね。

ロッジ立山連峰へ

15時近くになって調査を終え,ロッジ立山連峰へ向かいました。

途中,地獄谷へ向かう道は立入禁止の看板が・・・。そういえばさっきの室堂でもときどき硫黄くさいにおいがしてました。

途中,山崎カールの看板を過ぎたところの右下斜面にMさんが赤雪を発見しました。

これは雪氷藻類が繁殖しているところです。

日本では1950年代に報告があり,その後この調査の案内をしていただいたT先生が2例目を発見したということでした。

赤いというか,ピンク色をしていました。


突然,看板に留まっている雷鳥を発見しました。

しばらくすると飛び立っていきました。

羽が白くてきれいです。

 

 うっすらとした霧の中,今夜のお宿「ロッジ立山連峰」に到着しました。

 早速温泉につかって疲れをいやします。

 温泉は硫黄臭のする酸性のお湯のようでした。

立山連峰の夜 

 夜,一人で外に出て写真を撮影しました。

 天気がよくなかったので,星が写る状況ではありませんでしたが,月はなんとか存在がわかりました。

 雪山がうっすらと浮かび上がっています。

 左のたてものが泊まったロッジ,左下の写真は隣の雷鳥沢ヒュッテです。

 右下の写真はいわゆる「立山」で右端が雄山です。


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