2001.11.22 作成
検温の際、看護婦さんに「痛みは10段階でいうといくつ?」とたずねられるが、どのような基準で答えればいいのかよくわからない。
絶対的な基準がない以上、あくまで患者一人一人の中での相対評価となるのであろう。
すなわち、さっきより痛いかどうか、昨日より痛いかどうかを知る程度のことだろうか?
だとすれば、5段階くらいで充分であろう。
だいたい、3日前の痛みと比べてどうかなどわからないので、個人の中でさえ基準があいまいである。
また、痛み止めが必要かどうかを判断するための数値として必要なのだとしたら、これまたあいまいである。
ある患者は8以上が痛み止めが必要と思っているが、ある患者は6で必要とするかもしれない。
従って数値を見ても痛み止めが必要かどうかはわからない。
痛みの絶対的基準を作ったとしても、個人個人で痛みに対する耐性が異なるので、やはり数値からは薬の必要性はわからないだろう。
看護婦さんたちに取材してみた
1 10段階は何を知るためで何に使う?
患者に痛みを表現してもらうためのもので、痛みがへっているかどうかの目安になる(M本)
痛み止めが必要かどうかを知る目安となる(M丸・O)
2 何を基準にしている? 他人とそろえる必要はない?
患者それぞれの中の基準である(M丸・A)
客観的には評価できない(I)
他人とはそろわないが、ようすや表情である程度わかる(M丸)
3 いくつ以上が痛み止めが必要?
8以上が必要だと思う(O)
人によってちがう。8でもいらないという人がいたりする(M丸)
私だったら3でも痛み止めがほしい(A)
4 痛み止めが必要かどうかはどうやって判断するか?
本人が決めるもの(M本・M丸)
自己申告だが、その人の性格も加味して考える(O)
OさんやM丸さんはベテランらしい回答だ。
ちなみに、この10段階表現は、現在は看護学校でも教えているそうだが、昔は教えてなかったらしい。
ピンクチームの I さん(8年目?)から上の人たちは習っていなかった。
さて、ここで僕なりの痛みの表現を考えてみた。
考えるにあたっての問題点は次の3点だ。
1 人によって基準がちがうこと
2 同じ人でも何日がたつと基準がずれること
3 痛み止めが必要かどうかが数値からかんたんに判断できないこと
以下のように定義すればいずれも解決すると思われる。
| 1 | 時々チクチクする程度の痛み |
| 2 | ジワッとした鈍い痛みが持続している |
| 3 | 軽くつねられている程度の痛み。意識しないでいることはできる |
| 4 | 常に意識してしまうが、何かしていれば気が紛れる程度の痛み |
| 5 | かなり痛いが、なんとかがまんできる程度の痛み |
| 6 | かなり痛くて長時間がまんすることがむずかしい痛み |
| 7 | ズキズキしてがまんできない痛み |
| 8 | 刺すように痛くて、いてもたってもいられない痛み |
| 9 | 思わず声をあげたりうめいたりするような痛み |
| 10 | ほとんど気絶するような痛み |
ここで、痛み止めが必要なレベルを6と定義してやると、わかりやすくなる。
実際にこれを使ってみると、次のようなことがわかった。
1 たとえば、今日の痛みは7であると自信をもって言えるようになった。
これまでは6か7かであやふやだったりした。
2 他人から見てもある程度客観的にわかるようになった。
たとえば、となりのTさんは「TVを見ていれば気が紛れる」とのことなので4だとわかる。
はすむかいのFさんは消毒のときに悲鳴をあげているので9だとわかる。
看護婦さんたちの感想
こんなこと考える人もいるんだ。これについて質問されたのは初めて。(M本)
「6以上が痛み止めが必要」と患者が知ってしまうと、薬ほしさに6という者がでないかしら。(A)
・・・たしかにそうだなぁ。
最後に、5段階評価の方がわかりやすそうなので、それも考えてみた。
| 1 | わずかに痛い | 意識しないでいられる痛み |
| 2 | 少し痛い | 何かしていれば気が紛れる程度の痛み |
| 3 | 痛い | 常に意識するが、がまんできる痛み |
| 4 | かなり痛い | がまんできないほどの痛み |
| 5 | めちゃくちゃ痛い | 死ぬほど痛い |
この場合、4以上が痛み止めが必要である。