2001.11.7 作成
まず、なんじゃら+かんじゃら=かぞえられん において、1の位を考えると、「ん」は偶数である。
また、桁数を考えると、5桁+5桁=6桁なので、答えの数の最大桁の「か」は1であることがわかる。
すると、なんじゃら+1んじゃら=1ぞえられん となり、「な」は8か9ということになる。
「ぞ」は0か1だが、1はすでに使われているので、0がはいる。
以上より、なんじゃら+1んじゃら=10えられん で 「な」が8か9、「ん」が偶数ということまでわかった。
(A)「な」が8であるとしたとき
ん+ん が10以上になるはずなので、5以上の偶数を考えると、8がすでに使用されているから6しかない。
ゆえに、86じゃら+16じゃら=10えられ6
ここで1の位を考えると、「ら」は3か8であるが、8は使われているから3である。
すると、100の位を考えたとき、「じ」は1か6になるが、両方とも使われているため無理である。
よって「な」は8ではない。
(B)「な」が9であるとしたとき
ん+ん が10未満になるはずなので、5未満の偶数を考えると、2か4となる。
(1)「ん」が4であるとしたとき
1の位を考えると、「ら」は2か7である。
(ア)「ら」が2であるとしたとき
94じゃ2+14じゃ2=10え2れ4
「え」には8しかはいらないので、「じ」は1となるが、すでに使われているのでだめ。
(イ)「ら」が7であるとしたとき
94じゃ7+14じゃ7=10え7れ4
「え」には8しかはいらないので、「じ」は3となる。
943ゃ7+143ゃ7=1087れ4
あとは、ゃ+ゃ+1=10+れ を満たす数字を見つければよいが、残った2、5、6ではできないからこれもだめ。
(2)「ん」が2であるとしたとき
1の位を考えると、「ら」は1か6であるが、1は使われているから6である。
92じゃ6+12じゃ6=10え6れ2
ここで、「じ」は3か8ということになる。
(ア)「じ」が3であるとしたとき
「え」は4となる。
923ゃ6+123ゃ6=1046れ2
あとは、ゃ+ゃ+1=れ を満たす数字を見つければよいが、残った5、7、8ではできないからだめ。
(イ)「じ」が8であるとしたとき
「え」は5となる。
928ゃ6+128ゃ6=1056れ2
あとは、ゃ+ゃ+1=れ を満たす数字を見つければよいが、残った3、4、7のうち、
「ゃ」に3を、「れ」に7を入れるとうまくいく。
よって 92836+12836=105672 が正解である。
なお、八幡氏によれば、出典は以下の通りである。彼のメールを転載しておく。
これは 双葉十三郎の短編「密室の魔術師」に出てくる覆面算でした。
実業家 谷崎庄之助の殺害現場に残されたこの覆面算、この式を解くと105672(人丸五郎七に)となり、
犯人が谷崎の甥、人丸五郎七であることを示すのです。
しかし、ダイイングメッセージは死ぬ直前に咄嗟に書くものであって、こんなに凝ったものを作る被害者はまずいないでしょう。
どんな話か、一度読んでみたいものです。
高木茂男 「頭のエクササイズ 2集」 永岡書店 1989 より